女子軍を前に、ご主人は黙ってただ見つめた。
『友達じゃん』とばかりに、“友情”を見せ付けられる。
『あー、わたし…』
さすがにこんな状況になるとは思ってもいなかったので、すぐに頭が働かない。
『主人ちゃん今、目付けられてるよ?』
『ハミられるよ』
それはそうだろう。
Jちゃんをハミゴにさせようとしているのに、ご主人がそれを阻止していて。
則ち、イジメる側からすればご主人が邪魔で仕方ないのだろう。
泣かせたいJちゃんを、笑わせるご主人は、さぞ腹立たしい雑魚キャラだろう。
【次のターゲットになる】のは、間違いなくご主人だろう。
分かっている。
今、これが【自分のポジションを守る最後のチャンス】だということくらい。
寝返るか、裏切るか、それを今選べと言われているのだ。



