《この人、すごい》 と、ご主人は思うようになったんだ。 そう。 そう、この男子がいつだって話の中心になって、 ――【からかい】を終わらせて、 新しい話題をいつだってクラスメートに提供していて――― ターゲットの男子に気軽に話しかけて―― いつも泣きそうな顔をしている男子に面白い話をして、笑わせて――― そうだ。 本当の意味で“透明な俺”が生まれたのは、 この男子の存在かもしれない。 同い年なのに、誰よりも大人びていた人―――