ご主人は吐きそうだったみたい。ピアノの発表会みたいにね。
どうしてJちゃんの悪口を聞かされなきゃいけないのか。
今まで【他の子の悪口なんてスルーできたというのに、Jちゃんだと流せない】ようだ。
ご主人はイライラしながら、モヤモヤしながら、ただ貧乏揺すりをしていた。
どうしよう、俺が苦しい。しっかりしてよ、ご主人がしっかりしてくれなきゃ。
『Jちゃんと仲良いじゃんかー、やっぱり性格悪いの?』
ご主人は。
―――聞かれた。
意味が分からなかった。
そう、オカシイ。
2番目グループはJちゃんのことを知らない癖に。
【噂だけで悪口を言う】
【根拠のない悪口】
【悪口を平気で言う】
悪口を言っている自覚なしに、楽しそうに悪口を言う。
その笑顔は素晴らしく楽しそうで、【愉快犯みたい】だった。
俺は【殺人鬼】を目撃したのかもしれない。



