私は携帯をみながら彼方をみていた。






180はあるかな・・・。
端正な顔立ちで大学生っぽい感じ。




辺りを見渡していた彼方に
私は空気が違うことに気がついた。





あ…。この人って。




私は席を外し、彼方に
近づいて携帯を見せる。






(線路に危ないもんが入ったから止まってるんだって。)





彼方の顔が変わった。





(そうだったんだ、ありがとう。)





自分の携帯を出して、
彼方はそう打ち込んだ。



(助かった、トラブルだと聞こえないから。)



打ち込んだ文面をみて
私はそうだよなと思った。



彼方は補聴器をつけてるけど
見た目だけじゃわからない。



(確かに。)



私の文に彼方は頷いていた。