「朗はどう思う?」


なぜだかわたしは、そんなことを後ろに訊ねた。

朗には関係ないってわかってはいるのに、なぜだか知らないけれど、そんなことを。



「どうって……それは、夏海の思うようにすればいいけど」


思っていた通りの返事だ。

当たり前、わたしとトオルの関係なんて朗は知らなくて、なんの関わりもなくて。

どうするかなんて、わたしが決めることなんだから。



「でも」


朗が、背中にこてんともたれる。

少し熱をもった背中に、冷えた感覚が伝わる。


「俺といる間は、返事はしないで」