キーンコーンカーンコーン……
授業の終わりを告げるチャイムで、
わたしは我に帰った。
ずっと外を見ていたせいで、
授業なんて全然頭に入っていない。
「 雪、またぼーっとしてたね。 」
「 あっ、結衣 」
親友の、一ノ瀬 結衣 ( イチノセ ユイ )。
結衣とは、中学生から仲が良く、
一番信頼できる友達。
太陽くんが死んでしまった時も、
ずっとそばにいてくれた。
「 月島の事、考えてたの? 」
「 …うん。もうすぐ、1年経っちゃうんだよね。なんか早いなぁ。 」
「 ね。もう、落ち着いてきた? 」
「 もう落ち着いたよ。結衣のおかげで。
いつまでも悲しんでたら、太陽くんも成仏できないと思うしね。 」
「 ふふっ。確かに。月島、雪が悲しむ顔、だいっきらいだもん 」
「 そ、そうかな…? 」
「 なに照れてんの!そうに決まってるでしょ。月島は雪のことが大好きだったんだからね! 」
「 わ、わたしも! 」
そして、2人で笑い合った。