秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編④

「龍矢と、もっと一緒にいられますようにって」


「美和・・・」


髪を触っていた手が、自然に止まった。


「龍矢、忙しいの分かってるんだよ。でも、もっと一緒に出掛けたいとか、話したいとか思っちゃって」


だんだん美和の声が小さくなる。


「寂しかった・・・」


顔と顔がかなり近いのにもかかわらず、寂しかったの言葉は、微かに耳に届いただけだった。


確かに最近は忙しかった。


学校ではテスト作り、三木会社でも重要な案件を扱っている。


家にいたとしても、パソコンと睨めっこ。


「ほんとはね、星なんかどうでもよかったの。龍矢と出掛けられるならどこでも」


「そうか。悪かったな。寂しい思いをさせて」


美和はプルプルと首を横に振った。


星が見たいと言った美和の言葉を聞いたのは、仕事中断して少し休憩していたときだ。


聞き逃さないでよかったと、今更ながら思う。