秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編④

「ここで撮影するの?」


「ああ」


さっきの意地悪な顔はどこかに消え、龍矢は真剣な仕事モードの顔になってる。


「三木社長」


龍矢を呼ぶ声と共に、どこからともなく男の人が現れた。


誰だろう?


「今日はよろしくお願いします」


龍矢が丁寧に頭を下げる。


「こちらこそ。最高の出来にしますよ」


それだけ言うと、その男の人はまだどこかに行ってしまった。


「ねえ、龍矢。誰?」


スーツの裾をつまんで引っ張ると、それに反応した龍矢が今回の撮影の監督と教えてくれた。


「この前もテレビに出てただろ?なんか有名な映画の賞を取ったとかで」


「そういえば」


言われてみれば、見たことある人かもしれない。