「星が見たい」


ある日ボソッとそう呟いた美和。


「なんかあるのか?何とか流星群とか」


「別に。ただ、綺麗な星が見たいだけ。ダメ?」


「いや」


ポンポンと頭をなでて、連れてってやるよとキスを落とせば、すごく嬉しそうに美和は笑った。


「寒くない格好してけよ?」


「分かってるよ」


そんな会話をしてから数日、雲ひとつない夜空の日に、星を見に行くことにした。


寒い冬の日。


コートを着て、車に乗り込んだ。


長い時間外にいることも考えて、車の後ろには少し小さめのブランケットも積んだ。


「なに持って来たんだ?」


助手席に乗り込んだ美和の膝の上には、小さめのバスケット。


「あのね・・・」