秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編④

深夜2時。


仕事を終え帰宅した俺は、寝室のドアを開けた。


もう寝ているだろう美和を起こさないように、あえてただいまとは言わない。


「消し忘れか?」


寝室のドアを開けたとたん、漏れてくる電気の明るい光。


不思議に思いながらも、寝室に入った。


「たく」


目に飛び込んできたのは、ソファーで眠っている美和。


まるで猫のように体を丸めて、気持ち良さそうに眠っている。


「待ってたのか?」


パジャマ姿だったけど、テーブルの上には飲みかけのコーヒーが置いてある。


しかも中身はブラック。


「飲めないくせに」


ほとんど減っていないそれに口をつけると、もうかなり冷たくなっていて、とてもおいしいとは言えない。


それでも飲めないブラックコーヒーを飲んでまで起きようとしていてくれた美和に、思わず笑みがこぼれた。