秘密な花嫁~旦那様は先生!?~特別編④

ゆっくりと龍矢が振り返る。


「お前、何泣いてんだよ」


「だって・・・」


いつの間にか私は、泣いていたらしい。


「だって、お母さん・・・」


頑張り過ぎて、お母さんは倒れてしまった。


もし龍矢も頑張り過ぎて、そうなったらって思ったら。


「泣くな、美和。俺はこんなことで、倒れたりしない」


「うん」


いつもより少し熱い指が、私の頬に伝った涙を拭う。


「今日は休む。それでいいか?」


「うん」


やっと休むと言ってくれた龍矢に笑顔を向けて、手を握って寝室に戻った。


「大丈夫?」


「ああ」