あのとき、カメラマンさんに写真撮ってもらってたんだ。


写真を撮る音とか、なんにも聞こえなかった。


というか、あんなに人がいていろいろ動いていたのに、一切音が耳に届いてこなかった。


それって、それだけ私が龍矢のキスに夢中になってたってこと?


そう思うと、余計に恥ずかしい。


「まあ、いいんじゃないか?」


「なにがよ」


「写真の中でも、俺たちは愛し合ってるってこと」


そう言ってまた、キスをされた。


「キス魔」


「言ってろ。いくらしても、足りないくらいだ」


「もう」


キスの写真は恥ずかしいけど、これも二人の思い出だよね。


大切に取っておこう。


写真の中でも、愛してる。





・・・END