振り向くとお風呂上がりの先生がベランダに来ていた。


2回目だけど、やっぱりドキドキする。



少し濡れた髪がとても
かっこいい。



「無視?」



「え?」



「何で泣いてるんだ?って事。」



「泣いてないよ。」



「嘘。」



「目にゴミが入っただけ。」



「目にゴミが入っただけで、
そんなに泣かないだろ?」



先生への気持ちが切なくて切なくて・・・



好きすぎて・・・




泣いていた。



なんて言えるほど私には
勇気がなくて・・・。



可愛くない嘘をつく。



「本当に何でもないから。」


先生の顔を見ないで、
部屋に入る。



先生の横を通り過ぎる時に
横顔が少し見えた。



とても悲しそうな顔。



なんで、そんな悲しそうな顔をするの?



なんで、私を泊めてくれたの?


なんで、そんなに優しくしてくれるの?



なんで?

なんでなの?



先生と同じベッドで寝る時も
微妙な距離を空けた。


先生に、近くにおいで。って言われたけど行かなかった。



勘違いしちゃうから。



先生も私のことが好きなんじゃないかって。


この気持ちが溢れる前に、
気持ちに鍵をかけよう。


叶わない恋に終わりを告げよう。

今日で私は先生と距離をおこう。