〔完〕時間を超えた想い

美雪の過去を知るときは意外と早かった。


次の日美雪は学校に来た。が、無理してきたのか保健室に行った。

休み時間、俺はあいつの様子を見に行った。

けど、俺は保健室の前で足を止めた。


「あたし、小学校の頃、いじめられてたんです。」


聞こえてきたあいつの声。俺はあいつの話に耳を傾けた。

・・・なるほど。そういうことだったのか。

そりゃ兄貴も言いにくいよな。


「ありがとうございました。」


あいつが出てきそうだったから、俺は急いでその場を離れた。

・・・あいつ、いつも笑顔だけど不安でいっぱいなんだな。

そういや、宮崎さん以外と話してんのあんま見ないしな。


“俺がその不安を無くしてやる”

俺はそう心に誓った。この時やっと自覚した。

俺は美雪が好きだということに---。