〔完〕時間を超えた想い

もし引っ越したら、麻里ちゃんにも祐真にも会えなくなる。そんなの嫌だ！！


「ツライのはわかるけど、もうどうしようもないことなのよ。」

「嫌だよ！あたしだけでもいいから残る！」

「もうあきらめなさい。」


そんな・・・。そう思うと涙が溢れ出てくる。

お父さんはオロオロして


「泣くな、泣くな。引っ越すとはいっても友達と二度と会えなくなる訳じゃないんだぞ。」


そう・・・だよね。会おうと思えば会える距離だもんね。


「わかったよ。あきらめる。」

「ありがとう。」

「でね、みゆ。頼みたいことがあるんだけど･･･。」

「なに？」

「これからお父さんもお母さんも引っ越しの手続きとかで忙しくなるから、先生にみゆから引っ越すことを言ってもらえる？」

「OK。言っとくよ。」

「ありがと。助かるわ。」

「ところで、いつ引っ越すの？」


だいぶ気持ちの落ち着いたあたしはお父さんに聞いた。


「あぁ。中１の間はここにいれるぞ。向こうの学校に行くのは中２になってからだ。」


あと一ヶ月か。それまでの間、毎日を大事に過ごそうっと。