〔完〕時間を超えた想い

「“デブ”とか“ブス”とかいろいろなことを言われて。
今でもその人たちに繋がるものにはすごく恐怖を抱いちゃって、誰の声も聞こえなくなるんです。」

「うん。」


先生は相づちを打ちながら聞いてくれた。

今まで心の中でたまっていたものがどんどんこみ上げてくる。


「いじめられていたとき、好きな男の子に告白したんです。
そしたら“デブス”って言われてフラレました。
だから、その後は男の子が怖くて好きな人ができなかったんです。」

「うん。」

「気がついたら中1が終わりかけてるのに好きな人がいなかったんですけど・・・。」

「好きな人ができたのね?」

「はい。いつも近くにいる人です。でも、その人には好きな子がいるみたいで。」

「何でそれで落ち込んでるの?」


先生は優しく聞いてくる。