〔完〕時間を超えた想い

「何がわからないの?」

「お前もそのうちわかるようになるよ。
じゃ、俺そろそろ帰るから。早くカゼ治せよ。」

「うん、ありがとう。玄関まで送るよ。」


あたしはソファに手をついて立った。 が


「あれぇー。」


身体が熱のせいで思うように動かず倒れていく。


「っ危ねえな。」


祐真が受け止めてくれた。


「もう玄関まで来なくていいから。ちゃんと寝とけ。」

「ごめんね、何もできなくて。ところで、いつからここにいたの?」

「お前が起きる少し前。」


あたしが気づいた祐真のクセ。

それは祐真は嘘をつくとき、なんともいえないすごく切ない顔をするんだ。
本人にはそのクセのこと、言わないけどね。

今もその顔になってる。ってことは、結構前からあたしんちにいてくれたんだ。