〔完〕時間を超えた想い

「あたしんちここだから。じゃあね中村。」

「中村じゃなくて?」


中村はあたしをジッと見てくる。忘れていたけど中村はカッコイイ。

不覚にもドキドキしてしまった。


「ゆ、ゆうま…。」

「よくできました。」


そう言いながら祐真はあたしの頭をなでなでした。

あれ?なんか、気持ちいい。


「念のためいっとくけど今日で終わりじゃないからな。」

「えぇっ!?」

「だってちゃんと書いてたじゃん。“今日から”って。」


まあ、そうですけども…。


「明日からもよろしく頼むよ。」

「はい、わかりました。・・・ところであんたんちはどこなの?」

「俺んち?俺んちはもうちょい先んトコ。じゃ、また明日な美雪。」

「うん。ばいばい…祐真。」


祐真って呼ぶのも、美雪って呼ばれるのもやっぱ恥ずかしいよ・・・。


「クスッ。顔赤いよ美雪。」

「うるさい!!」


祐真を見送った後、あたしは2階の自分の部屋に行った。



その時、あたしは見てしまったんだ。

アイツがさっき二人で帰ってきた道を戻っているところを…。