が、先生はテストを離さず


「中村、ちょっと耳貸せ。」


先生は中村に何か耳打ちした。


「・・・・・・・・・・・・・・・なよ。」


中村は一瞬あたしの方を見て頷いて戻ってきた。


「何点だった?」

「お前と同じ。」


よかったぁ。とりあえず数学は切り抜けた。


ところで先生に何て言われたんだろ?
”なよ。”しか聞き取れなかったし。


「ねえ、先生に…」


“なんて言われたの?”


そう聞こうと思ったけど、中村がすごく怖い顔をして何かを考えてたから、弱虫のあたしは中村に聞くことができなかった。