青空色のタイムリー

「不思議な夢を見ました」

 視点を給水タンクへ上げる。
 今日は休みだと思っていた青山が何食わぬ顔でたたずんでいた。

「今日は休みなんじゃなかったのか?」

 欠伸を交えながらに尋ねてみる。

「一人の少女が空へと祈りをこめる夢です」

 がん無視。まるっきり僕の質問を聞いていない。それどころかさらに話を進める始末。

「空に一番近い所で歌っているのです。自分の意味を求めるように。祈りを歌に天へとこめて。不思議な感じでした、あれはいったいなんだったのでしょう∙∙∙∙∙∙∙∙私にはとっては身近な気がしました」

 なんのこっちゃと普段なら言ってたのだろうが、僕の夢となにやら共通点でもあるのか? 空、夢、幻想、空想、憧れ、希望∙∙∙∙∙∙∙∙∙
 青山は独り言のように、僕の返答なんか待っていないように、黄みを零したような夕日にぼそりという。
 返す言葉はてんで。思いつくことがなく、彼女の立ち振る舞いを見つめているだけしかできない。