青空色のタイムリー

 怪しく口元を緩めて三日月のように笑う。
 だから秋本先生が僕に青山を任せたんだとでも言いたげに。

「あのなー。お前すっげーエロい顔してんだけど、そんなに楽しいのかよ」

「ああ、楽しいぜ。秋奈の働きぶりに乞うご期待って所だな」

 微塵も悩まず期待されてしまった。気楽なものだよな、僕はこれから大変だってのにこいつときたら展開がどうであれ面白がるんだから。
 だからだろうか、こんな、
 こんな日が来るとは思っていなかった。
 僕が誰かのために何かをしようなんて……。
 空を羽ばたこうと夢見る一人の少女のために。
 小さなその羽根を折らないようにそっとなでてあげることしかまだ判らない僕が。いつかは結末を迎えてみようと思う。