青空色のタイムリー

 僕だってやりたくてこんな大役を担ったんじゃないってのに。他人事だからって大笑いしやがって。

「そもそも一緒にいるだけでそう捕らえるお前の方がどうかしてるぞ」

 何を思って口にしたのかやれやれだ。

「だって秋奈が人に近付くのは珍しくてさ、それが女ときたらそうなのかと。ああ、つまんねーな、せっかく楽しみにして来たってんのに口説き落とせってんの」

 無茶言うなよな、あの青山にそんなこと言ったら殴られるだけじゃ済まされないって。あの動きから来る連動は死に値するはずだ。

「そりゃ期待に添えられなくて残念だな。第一、あいつが恋愛なんてする玉じゃないだろ。するとしても僕なんかは眼中には入れないさ」

 飲み終わったパックを袋に投げる。見事に入り、ガサリと音を立てた。

「確かにな。青山もけっこう浮いてて目立ってんだぜ。秋奈は今は落着いててそうでもないけど、青山は今だにめだってんぜ。昔のおまえ同様にな。人間嫌いのおまえ同様にな」