青空色のタイムリー

 生ぬるい風がべたりと張り付き、めまぐるしくあえぎ声が出る。
 あいつは今日は休みのようで、何げ気にしなかった屋上がいつもより広く感じられた。給水タンクはポツリと主を失ったように寂しくそこにあるだけの物。
静かな風の音。地面に反射する熱。蜃気楼じみた夏の午後。
 飲みきった空のペットボトルを二本、無造作に地面に転がしため息を吐く。

「おお、なんだ? 愛しの彼女がいないと寂しいってか?」

 寝そべっていた体を上半身だけ起こして意味不明な発言主を睨みつける。

「そんなんじゃねえよ」

 すると、本堂中矢が半笑いに差し入れと、売店のジュースを投げてきた。

「照れるなって、もう毎日のように屋上でラブラブしてんだろ?」

 勝手なイメージを脳内で進展させている馬鹿。

「なわけないだろ。あいつと僕はただのサボり仲間だ」

「はいはいそう言うことにしておくよ。しっかし秋奈は青山みたいな奴が好みだったとわな。俺の感だともっとハイカラな女子を好んでるんじゃないかと読んでいたんだが、違ったようだな」