青空色のタイムリー

「そだけど?」

 なら挨拶くらいしとかないと申し訳が立たないな。

「今秋本先生ってどこに居んの?」

「五時間目にはいる前に生徒指導室に入っていくのは見たけど? あーあーああ。だよな、わかるわかる、なるほどな」

 僕が何をしに行くのか納得した素振りで手をひらひらと振る。見送られながら僕は生徒指導室へと歩き出した。生徒指導室は二棟校舎にあり、今いる場所が一棟校舎。渡り廊下を使っていっきにショートカット。
 生徒指導室の前、扉を開けようと柄に指を掛ける。が、中からかすかに声が聞こえてくる、どうやら先客が先にいるらしい。いったん躊躇し思考する。このまま先客が出てくるのを待つか、いっそ入ってしまうか∙∙∙。僕としては同席は避けたいのだけれど。