店内では男が笑う
男「はっはっはっ。わかるよ。わかるよ羽流君!!君の葛藤
昔も自分はそうだったからね」
羽流「だったら、なぜ??」
男は冷静に穏やかに話す
男「なぜ、止めなかったっと言いたいのかね。
うん。実に基本的な質問だな。
オレも最初はそうだったんだよ
愛する人を止めようとした
愛する人は狂っていったよ
正直、辛かったよ
覚醒剤に落ちていく、愛する人を見ているのはね
別れてしまおうかと思ってさえいたよ
これは愛ではないと
自分に言い聞かせてね
金が無く
覚醒剤が手に入れられない
自分の腑甲斐なさにも嫌気がさしていたりしたさ
そんなこと思っている間にも愛する人は壊れていった
愛する人は自分自身も忘れ
髪をかきむしり
昔から大切にしていたアルバムや写真さえも燃やしてしまった
親友だった奴の名前も忘れてしまうくらいだったさ
だけど、ただひとつ
ただひとつオレだけは
オレのことだけは忘れていなかった
オレは、そこに愛をかんじたんだ」
駐車場には考太が到着していた
