羽流は自分の思いを西田にぶつけてみた
羽流「西田博士‥実は……聞いてしまったんです。奥さんのこと」
それを聞いた西田は険しい顔になった
誰かに話されたことに怒ったのではなく
奥さんの話が出てきたからだ
西田は話しだした
「話を聞いたのなら、よくわかっただろう
欲と名のつくものは全て目に見えるものだ
目が見えてしまえば人間には自我が生まれる
彼女は
とても純粋な人だった目が見えるまでは
愛した人には目が見えてほしいと思うのは当然の事だろう
同じ色や
同じ景色
写真で切り取るよいに思い出を作りたいと」
西田は怒りにまかせて叫ぶように続けた
