恋形

｢おつかれさまでした｣

藤井　羽流(ふじい　はる)は
そう言って仕事場からでて行こうとする時
一人の男に呼び止められた

｢おい!!羽流!!｣

同僚の
荒谷　考太(あらや　こうた)だ
考太は男らしい性格とはいえない奴だ
考太はﾋｿﾋｿ話をする様に
羽流に顔を近づける

羽流｢なんだよ!!｣

考太｢例の紹介の話なんだけど明日、女の子は大丈夫??｣

羽流は
にっこり笑って
｢大丈夫だよっ｣と答えた

その言葉を聞いた考太は
羽流のにっこり顔を上回る笑顔で
｢ありがとぅ!!｣
その言葉と同時に羽流の腰を叩いた

羽流と考太
2人はとても仲がいい
親友だ

羽流｢亜紀(あき)には、ちゃんと話してあるから｣

亜紀とは恋人
羽流の彼女だ

考太｢悪いね!彼女、亜紀ちゃんにお礼言っておいて
感謝してるよ｣

羽流｢わかったよ｡じゃあ｣

羽流は、そう言って仕事場を出ていく
考太は羽流の後ろ姿を見て手を振る
まるで
愛しい恋人を見送るように
そして、両腕をｸﾙﾘと回して準備運動をはじめる

｢さて!仕事するか!｣

考太は残業だった