パトカーのサイレンが鳴る
集まるたくさんの野次馬

"オレ達は生きてるだけで数えきれないくらいの殺しをしてきたじゃないか"

病院の中から一人の少年が歩いてくる
手には血をつけ
手首には手錠がされている

"平穏に暮らしてる奴だってアリや花.チョウ……そして感情を"

パトカーのまわりにいる野次馬が手錠を付けた少年に冷たい目を向ける
野次馬の中一人の母親が自分の息子に言う

「アイツみたいになってはダメよ。あなたは優しい人になるのよ」

息子は母の期待に答えるように笑いながらうなずいた

"キレイ事言うんじゃねぇ!!いつだって、そうして生きてきたじゃねぇか!!病気を治す薬だって一体何匹のモルモットが死んでるか知ってるか!!"

警官にうながされパトカーに少年が乗り込む

<バタン>

重々しいパトカーのドアが閉まる
少年の隣に座った警官が悲しい声で少年に聞いた

「藤井…あんな事をして彼女が喜ぶと思っていたのか?」

少年は答えなかった
警官はゆっくりとパトカーを走らせた
野次馬も散っていった

"フンッ!!結局は自分のタメだったんだ
でも…あの頃は誰かのタメだと思ってたのさ!"