かばんを開き、首から提げていた鍵を出す。

 カチャっと開けて、事件ノートをこっそり出す。

 
「お前、何隠しているんだよ。」

 誰かの声に、はっとした。

 後ろを振り返ったら、掛川圭輔が立っていた。

 サッカー部で、よく精華をからかう。

「何も隠してないけど。」

 そう言って、かばんをロッカーに戻して再びロックした。

「本当、お前の行動って怪しいな。」

「どこが?」


――やばい。これ以上言ったらばれる。――

 精華はその場を去った。

 
――掛川は本当むかつく。――