突然ですが、『分からないところがあります。』は先生に事件を聞きたいときの合言葉。

 昼休み、職員室がある校舎の一階相談室に来ればいいのだ。

 一年生の先生はそれで通じる。

 さらに二・三年生の先生に聞きたい場合は、一年生の先生が手配してくれる。

 精華が子ども警察官であることをばれないよう、最大限工夫されているわけだ。

 話を元に戻そう。


 教室のロッカーの扉に、人差し指を当てる。

 するとロックを解除され、精華のかばんを出した。

 事前に指紋を登録し、指紋をタッチすれば開く仕組みだ。


 いまや、どこの学校も靴箱、ロッカーはロックがかかっている。

 荒れが深刻で、盗難が相次いだからだ。

 鍵だとなくす恐れがあるので、指紋で開く仕組みになっている。