精華が手錠をかけた。

「おい、早く火を消さないと。俺が、こいつ運ぶから。」

「分かった。」

 この辺に水がない。

 だから、土を掘って火にかける。

 その土は微量だ。

 だけど、懸命に掘って掛け続ける。


――はよう消えろ。――

 思いが通じ、雨が降ってきた。

 土砂降りになった。

 火は、さすがに消えた。

 精華は、びしょ濡れになりながら、校舎に戻った。