〖完〗子ども警察官の精華

 とにかく、急いで、急いで。

 だけど、被害者がいるかどうかは分からない。

 そんなの考えている場合じゃない。

 ひたすら走る。

 どこにいるかわからない。

 圭輔が、見えない糸で引っ張っているような感じだった。


「伏せろ、伏せろ。」

 誰かが、小さな声で言っている。

 圭輔だ。

「精華、いいから伏せろ。」

「あっ、ごめん。」

 精華は、言われるままに伏せる。