〖完〗子ども警察官の精華

 でも、後悔している場合じゃない。

 早くしないと、蓮太抜きで火をつけられる。

 精華と圭輔の緊張はもう、尋常じゃない。

 焦って焦って、だけど、落ち着いて・・・やっぱダメ。

 それの繰り返し。


「精華。これで連絡を取ろう。二手に分かれて、探すしかない。

見つけたら、絶対連絡してよ。」

 この時、初めて圭輔から『精華』と呼ばれた。

 無意識に出てしまった。

 精華自身がこれに気付いたのは、もう少し後だった。

「分かった。とにかく、探すから。」

 っと言って、無線を受け取り探し出した。