〖完〗子ども警察官の精華

「派閥に入れば、本当は仲良くしたくてもできない子ができます。

『憎い敵だから仲良くしない。』

そう考えていいのかと思って、あえて入っていないのです。」


――憎い敵だから、仲良くしない。――

 理子の心に、精華の言葉が突き刺さる。

 精華が傷つけたわけでもない。

 なのに、なぜか心に引っ掛かる。


――狭い檻に閉じこもっていた。――

「ねぇ、派閥に入っていないから不便なことはなかった?」

「別にないですよ。」

 部活の中に、仲のいい子の一人や二人はいる。

 佳織とは、あまりしゃべらなくなったが。