でも、そんな些細なことで、びっくりしているわけにはいかない。

「棚岡です。」

 少し、声が小さかった。

「棚岡さんか。入っていいよ。」

「失礼します。」

 理子はベッドに座っていた。


「お見舞いに来ました。」

 って、言うタイミング間違っている。

「これ、受け取ってください。」

 どうやればいいのか、わからなかった。

 とりあえず、適当だ。