主人がやっと気が付いた。

 でも、すでに時遅し。

 青年課の刑事、校長先生が集まっている会議室の前だったから。

 主人の視界には、精華は見えない。

 少し待つ。

 精華は現れない。


――迷子になった??――

 主人は慌てて、探しにいった。


――俺は愚かだな。――

 主人は焦りに焦った。

 精華が迷子になったら、遅刻して起こられる。

 それと同時に、精華のプライドが傷つけられる。

 約束の時間まであと十分。