そこに現れたのはショートカットの似合う、エプロン姿の女性だった。


見覚えある気もするがやっぱり思い出すことはできない。


「は、はい…」


 現状を把握できないでいる咲姫は、そう応えるのが精一杯だった。


「そんなに緊張しないで、別に捕って喰おうってゆうんじゃないから」


 咲姫とは対照的に、手をひらひらさせて笑いながらショートカットの女性は言った。


「あのドレスじゃ動き辛いでしょう。私ので悪いけどこれ着てね」


 そう言うと、手に持ったカゴを部屋においた。

 咲姫はお礼を言ったあと、自分のおかれている状況を尋ねようとしたが、階下から声がかかり、それはできなかった。

「水鳥、ちょっと手伝って」

「はーい、今行く、じゃ、またあとでね」


 水鳥と呼ばれた彼女は、エプロンをひるがえして階段を駆け下りていった。


「どうなってるの、これ。あ痛っ」


 頭を抑えたまま、途方にくれる咲姫だけがその場に残された。



 咲姫はひとまず現状を把握するため、痛む頭を押さえながらベットをおりた。