窓から差し込む朝日が北村 咲姫(きたむら さき)の頬をなでた。



 やさしい目覚ましで咲姫はゆっくりと体を起こす。

しかし、そんな優雅な目覚めとは程遠い頭痛が咲姫の頭を駆け巡った。


「あいたっ」


ガンガンする頭に手をあて、そのまま、またベットに倒れこむ。


 なんでこんなに頭が痛いんだろ?


 ゆっくり記憶をたどる。

昨日は結婚式に出席するために新幹線で那須に来て、それから、ブーケトスで転んで、やけ酒して…



「いたたた…」



 ダメだ。思い出せない。

 それにここは何処だろう。