ばれても良い。
何を言われても良い。
良いから私の手を取って抱きしめて欲しかった。
いつもみたいに“莉子”って言われたかった。
優しくキス……してほしかった。
でももう…………
どれも叶わない。
叶えられない。
元から私の一方通行だった。
涼ちゃんは私の事好きな訳じゃなかった。
だけど……………
優しく触れる手も唇も。
私にくれる一つ一つの言葉も表情も。
全部私の宝物。
誰が何と言おうと私と涼ちゃんが一緒にいた証。
それがもし偽りであったとしても。
私はそれだけで強くなれる。
忘れるなんて絶対に出来ない。したくない。
涼ちゃん………………
貴方を思う事だけなら許されますか…………?
「莉子……………」
苺が小さく私を呼んだ。
「大丈夫………」
私はそう言うと涙を零しながら笑った。
「辛くなったらいつでもうちらいるから。」
そう言った百合にいつの間にか来ていた舞も、隣で心配そうにしていた苺も。
頷いていた。
私は嬉しくて嬉しくて。
「ありがとう」
無意識に微笑んでいた。
もうすぐクリスマス。
着々と準備が進んでいた。
私の気持ちだけを残して………………。

