「康介……大人げないぞ」 志緒姉が言うと康介は私なんかの時とは比べ物にならないぐらい優しい表情になる。 「莉子が変わらなさすぎてつい……ね」 「可愛いもんじゃん?」 そんな二人のやり取りに 私は胸が痛くなる。 涼ちゃんとこんなふうになれたら………。 叶わない夢を膨らませる事しか出来ない私が、何だか凄く惨めで。 いつだって私達の間には越えられない壁があるんだ。 そう思うと涙が溢れてくる。 泣いたら駄目だ。せっかく志緒姉が来てくれたのに。