「莉子…?」
キスをやめ、お互いの体温を感じながら抱き合う。
「ん……?」
あまりにも温かくて。あまりにも心地良くて。
涼ちゃんの胸から聞こえる同じリズムの音に、不思議と安心している私が居た。
「好きだよ?」
――トクン
「どうしたの、急に」
突然の囁きに動揺を隠せずに尋ねる。
すると、
「好きなもんは好きなのー」
と、訳のわからない事を言う。
「涼ちゃん変だよー??」
「うん。」
「うっ?!うん…??」
「莉子、家行こうか?」
………………涼ちゃん…?
私は手を引かれ、車に乗り込む。
明らかに様子がおかしい涼ちゃんにどうしたらいいのか分からなくなる。
どうしたの……?
何でそんなに………………哀しそうなの…?
涼ちゃんの家に向かう間、涼ちゃんは私の方を一度も見ず、ただ真っ直ぐ前だけを見ていた。
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