「さみー!!!」
車に入ると涼ちゃんは慣れた手つきでエアコンをつける。
ぽーっと、その大人の姿に見とれていると、
―――チュッ
目の前が暗くなり、一瞬唇が触れた。
「……何で…ですか///」
「何でもです」
ゆっくり車が走り出す。
車の中には恥ずかしくなるぐらいの沈黙が流れる。
(何を話せばぁああ!?)
「莉子?」
「にゃいッッ!!!!」
「「………………」」
…………………、
………………………。
噛んでもーた……!!!!
「あははっ!!!'にゃい'だって!!噛みすぎだろっっ!!!ゃべえ!!!莉子やべー!!!」
「なッ!?」
涼ちゃんはハンドルに顔を押し当てながら笑い続ける。
「莉子ッ!!おまッ……!!可愛すぎ」
―――ドキン
ずるいょ……。
そんなに愛しそうな目で見ないでよ…………。
私は、恥ずかしくなり咄嗟に視線を逸らし俯く。
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