「来てくれてありがとう…」

ぎゅっと掴むと…

その手を引き寄せられ涼ちゃんの胸に埋まる。


「涼ちゃ…ッ……」


痛くはないけど。
強く、強く。
私を抱きすくめる涼ちゃんは、何故だかとても小さく感じた。

私の髪を優しく撫で、閉じ込めるようにする。

「馬鹿……」


耳元で囁かれたその言葉を助けてに、聞こえたのは……私だけだろう。


「涼……??」

背中に手を回し涼ちゃんの服を強く握る。

不安…………
違うな。


怖いんだ。

今にも壊れちゃいそうな涼ちゃんが。

私の元から離れて行くようで、一気に言いようのナイ感情が押し寄せる。



大丈夫だよって
離れないよって……

「ずりぃ奴……」
「エ…………」

思わぬ言葉を聞いた私はマヌケな声が零れる。










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