今の私は心底マヌケな顔だろう。
だって、ありえない人物が私の前にいるのだから。
信じられない。
私は、頭が真っ白になりただ驚いた。
涼ちゃん、何考えてんの……
お母さんになんて、説明したの?
彼氏?先生?知り合い??
「いい男ゲットしたわね!」
と、せんべいをバリボリ食いながら言ったお母さん。
その言い方からして、彼氏と言ったんだとだいたい分かった。
それもそうだ。
どこの馬鹿が、禁忌をたやすく親にばらすだろうか。
さすがの涼ちゃんも、そんなに馬鹿じゃない。
やっと働き出した思考に、今いる状況を理解出来た。
「まあ ゆっくりしてってちょうだいね」
せんべいの最後の一口を食べ終えたお母さんは、そう言うと階段を下りて行った。
残されたのは…私と涼ちゃんの二人で。
一気に、緊張が私を襲った。
.

