「ん。俺も……」
優しく抱きしめた腕を少しきつくして耳元に唇を当てる。
「好きだ………」
絞り出すような甘い声色に私の心臓は暴れだす。
「やっと触れた……」
「えっち……」
ドキドキしすぎておかしくなりそう。
もっと感じたい。
もっと聞きたい。
もっと…………
「今のちょっときた…」
「何が??」
「えっちっていうやつ?」
いやらしい声で私にウインクをして見せた。
「そんないやらしくない!!!」
「あれれ??さっきまでの大胆な莉子ちゃんは??」
ニヤニヤしながらそんな事を聞く涼ちゃんに私はゆでだこになる。
「真っ赤。カワイイ奴」
「〜ッッ!?」
いつもよりエロ王子になってきた涼ちゃんに危機感を覚えつつ私は涼ちゃんに擦り寄る。
「誘ってんの??」
聞きましたか…?
今のエロエロ発言。
「なッ違うよ!!!」
私は真っ赤になった顔を見られたくなくて更にきつく顔を押し寄せた。
しばらく大人しく抱きしめていた涼ちゃん。
その間にも私と同じくらいの早さの鼓動が聞こえていた。
「莉子」
優しく甘く。私の名前を呼んだ涼ちゃんにまた、胸が高鳴る。
「そろそろ我慢の限界なんだけど?」
――ドキン

