世界はミューズ

昔は優しい先輩だったと思ってたのに中身すらうざったいってどういうことだろう。
カラオケに行きたかったからって何故こんなのと会わなければならなかったんだ。

私が無視して曲をバンバン入れていたら曲の途中で体を触ろうとしてきたので大きく舌打ちをして立ち上がった。

「帰る」
「え?!なんでだよぉ~詩織ちゃん。」

生暖かい声にぞっとする。

バタンッ!

急いで部屋を出てエレベーターまでヒールで全力疾走。
追ってくる様子はなかったので安心してエレベーターに乗り込む。

さっきドアを閉める直前にチラッと振り返ってしまった。
でっぷりと脂肪を蓄えた腹がジーンズに乗っている。あまりに人体の美しさを欠いていた。と思う。美術を諦めかけた私がよく言う。
彼の場合は外見の問題ではなくムカついたんだけど。