拓哉と話さなくなってから半年経つ。

もう自分の気持ちが分からなくなっていた。

せっかくの休日なのに、部屋でずっと拓哉のことばかり考えてる。

ベッドで寝返りを打つのを繰り返す。

この間の竜司くんの発言で、余計に混乱していたのだ。


拓哉に彼女・・・。


・・拓哉に・・・。


学校でその噂を聞いた時は、覚悟していたつもりだった。

でも、心のどこかでは信じていなかったんだ。

だってこんなに動揺してる。

こんな気持ち、初めてだよ・・。


「・・クラブで女漁りの方が良かったな」

ポツリと本音がこぼれる。
そしたら、私が叱ってあげられる。

私が拓哉に構う理由ができる。


でも違ったんだ。

拓哉に彼女ができたんだったら、ただの幼なじみである私が口を出せることなんてない。

何も・・・ない?

パタッと仰向けになる。



「・・な、に。これ・・」

涙が出てる。

目頭が熱い。


彼女が出来たから、拓哉は私から離れていったの?

ただの幼なじみの私でも、まだ拓哉に出来ることはあるはずだよ?

そう思って、すぐに間違いだと気付いた。


「・・・素直に応援も出来ない癖に・・」


涙は止まらないけど、私はそれを拭うのも忘れていた。