目線の先に女の子に囲まれている橘(タチバナ)くんを見つけた。



「由菜!」


私の姿に気づいたのか、そう言って駆け寄ってきた。


でも、呼ばれた名前に痛みを感じた。


だって……。



だって、私は……由菜じゃないから───‥‥。