彼はよく言っていた。




『俺は、もう治らない病気なんだ…。


俺のことは忘れてほしくないけど、新しい恋見つけろよ…』


って。






自分がいなくなってからの私のことをいつも心配していた。





そんなことを言われて、彼を捨てて自分のことを考えられる訳がない。





むしろ彼の側で、彼のことだけ考えていた。







その先のことなんて考えたくもなかった。