必死で自転車をこいだ。悔しいけど涙が出ないのは何故?




私は卓に恋して、告白して幸せだったよね。




携帯が鳴るけど今は卓の声を聞きたくなかった。




この辺って昴の家があったよね、昴の声が聞きたかった。




思いきって電話をした。




【珠実どうした?】




《今ね、彼氏と別れて来た。》




【そうか珠実、今からうちに来いよ。


美味いコロッケ食わしてやる。】




私は返事をして又自転車を走らせた。




昴のお店は私の家の近くにあった。




『早かったな、今から俺飯食うから一緒に食べるか?』




私が頷くと、奥から凄い勢いで子供たちが走って来た。




「兄ちゃんの彼女超可愛い。」



彼女ではありません。




昴は子供たちの言葉を、否定する事なく私を家に招き入れた。




『珠実散らかってるけどごめんな。』




いえ散らかってる事など気にはなりませんが、



でもこの6人の子供たちの目が、かなり気になります。



『おまえら散れ!』




子供たちは文句を言いながら、食堂から出て行った。。